ワイルドアームズ4 アルラク会話小話


内容とかシチュエーションとか深く考えずに軽く読むと吉。




ある日の夜。



「・・・・・・・・・・はぁ・・・・」

「どうしたのだ? ため息などついて、らしくないではないか」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「?」

「お前・・・・・・こんなに腕だって細いし、体も細いし・・・・・・・・はぁ」

「そこで何故ため息をつく」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・言ったらラクウェル怒るから言わない」

「怒らないから言ってみろ」

「・・・・・・・・・こんなに腕だって体だって細いのに、一体どうしてあんなに怪力なんだろうな」

「ケンカ売ってるのか貴様ッ!?」

「怒らないって言ったじゃねぇかよッ!」

「・・・別に、特別力が強いわけではない・・・・・・あの剣だってできるだけ軽量化して改良してもらっているし・・・」

「特別力が強いわけではない? またまた、ご冗談を」

「冗談などではない」

「・・・・・・前さ、お遊びで腕相撲やったことあっただろ」

「・・・・・・・・・・・・・ああ」

「あん時さ、俺だって決して、相手がお前だからって手を抜いたりなんかしてなかった。だのに」

「0,8秒で瞬殺だったな」

「ああそうさ! 俺だって、俺だって、そりゃ首から下は自信ねぇけど、それでもそこらの女の子に力負けするほど非力なつもりはねぇ・・・・・つまり」

「・・・・・・お前は左利きだったのだろう」

「は?」

「利き腕でない腕でやっても、力を込められるはずもない。だから負けた。そういうことだろうアルノー?」

「いや、俺右利・・・・」

「そういうことにしておけ」

「・・・・・・認めたくないんだな」

「何の話だ?」

「・・・じゃあ、今からやろうぜ。左で」

「ほう・・・」

「今のお前の理論でいけば、俺が勝つはずだ」

「そうだな。だからやるまでもあるまい」

「いいから。ほら、こっち来いよ」

「・・・・・・・・・・仕方のないやつだな・・・」

「・・・・・よし、それじゃ・・・・レディ、ゴー!」


びたーん


「・・・・・・・・・・・・・・・」

「ほら見ろ・・・・全く、手が折れるかと思ったぞ」

「ラクウェル」

「これで気は済んだだろう? 力がどうとか、どうでもよい話ではな・・・・」

「ラクウェル」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「全然・・・・力込めてなかっただろ・・・・・・思いっきり八百長しかけやがって・・・・・・・逆に落ち込むんだけど」

「・・・・我儘だな」

「いい加減認めろよ! 大体剣士なんてやってるヤツが非力だなんてあるわけねぇっての!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それがどうした」

「・・・・・ッ」

「力が強くて何が悪い? 剣一本でこのファルガイアを渡るために、生きるために強くならざるをえなかったのだ。
どうせ私はそこらの女とは違う。大剣振り回す怪力女だ、ユウリィみたいにか弱くなどないわ。
むしろ問題とすべきなのは、女に力負けしているお前のほうではないのか。女相手の腕相撲で0,8秒で惨敗だと、ふざけている。
言っておくが私が本気を出して望んだら0,5秒くらいでなぎ倒す自信はあるぞ、やってみせようか、そこになおれッ!」

「・・・・・・・ご、ごめんなさい」

「わかればよい」

「・・・・・・(はぁ・・・結局口でも勝てないわけか・・・へこむなぁ・・・)」



次の日の朝。



「ラクウェルのやつ、朝っぱらからどこに行ったんだ・・・? ん? なんだあの人だかり」

「チクショウ! また負けたー!」

「今度は俺だ!」

「・・・・? なぁ、あんたたち・・・」

「ん? お、旦那が来たぞ姐さん」

「は?」

「遅い朝だったな、アルノー」

「・・・・ラクウェル? つーか、何してんの」

「見ればわかるだろう」

「わかんねぇから聞いてんの」

「腕相撲大会だ」

「はぁ?」

「対戦相手は私。参加費50ギャラで、私に勝ったら100ギャラ払い戻しだ。どうだ、なかなか面白いだろう」

「・・・・・・つーか、ぼったくりじゃねぇかよ」

「お前も参加してみるか? 公衆の面前で恥を晒すことにはなるが」

「・・・・・・遠慮しときます」

「もうしばらくしたら帰るからな、売り上げ楽しみに待っているといい」

「・・・・・・・・・・(なんか、ラクウェルが嫌な色に染まってく・・・)」





怪力バンザイ。