ミーティング会話


ポートロザリア(巡礼地キュレーンクリア後)

*ユウリィ*


ジ「──まさか…こんなところであいつらに出くわすなんて思ってもみなかったよ…」
ユ「………」
ジ「心配しないで。きっと守ってみせるから」
ユ「………ジュードは、大人たちが怖くないんですか…?」
ジ「なんでそんなことを?」
ユ「…わたしは怖い…とくに兵隊は…」
ジ「あいつらは、ひどい大人だ。でも、悪い大人ばかりじゃないよ。
 僕の村の大人たちは、僕をよく叱ったけれど、悪い大人じゃなかったよ」
ユ「…ええ…ごめんなさい…
 悪い大人ばかりじゃないって頭じゃわかってます。──だけど…」
ジ「………」


*ユウリィ2*


ジ「僕の力とユウリィの力…それは似ているけど、まるで違う力…」
ユ「わたしの力は──ARMを制御し、マテリアルドライブする能力…」
ジ「つまり…ガーディアンプログラムも、ARMってことなの…?」
ユ「そうまとめられるかもしれませんね。
 ………わたしはジュードみたいに、ARMを単独で起動させたり、構成を維持することはできないんです。
 その代わり、ホストにアクセスすることで、ガーディアンプログラムに従ってARMをコントロールできるんです…」
ジ「?????? 難しいこと言われてもあんまり…」
ユ(一番大きな違いは、たぶんジュードが生まれながらに因子適合者だってこと…
 わたしみたいに…白くて冷たいあの施設で力を与えられたわけじゃないんです)


*アルノー*


ア「なぁ、ジュード…兵隊相手にあんまり無茶していると、いつか取り返しがつかなくなっちまうぞ」
ジ「アルノーは、あいつらがひどいことしてても、知らん振りしてろって言うのッ!?」
ア「そうじゃねぇよ。そうじゃなくて…もっと、折り合いをつけろってことだ」
ジ「折り合い?」
ア「争いの歴史の中で学んだ大人の器量だよ。
 やたらシロクロ付けたがったり、考え足らずで飛び出してばかりじゃ、付き合ってられないぜ」
ジ「…僕が悪かったの…?」
ア「だーかーらー…悪いとか、悪くないとかだな…簡単にシロクロつけるなって言ってるだろう」
ジ「………
 …でも、折り合いをつけてばかりじゃ、何も変えられないと思うんだ…」
ア「『変える』のも『変えない』のも、大人が決めることなんだよ。
 いちいち反発するとこが、おこちゃまだっての」
ジ「……… …アルノーはそれでもいいの?」
ア「…どういう意味だよ?」
ジ「さっきの兵隊みたいな大人に、嫌なことされても平気なの?」
ア「…さあな。………だけどよ、ジュード…お前の理屈が正論として通用するのは、
大人のいないおこちゃまだけの世界だけなのは間違いないぞ」
ジ「……… …まだ納得できないけど、アルノーの言ってること、わかったよ…
 ……… …アルノーがいろいろ考えて、ムリヤリ自分を納得させているのも、なんとなくわかった気がする…」
ア「あのな… 勝手にオチつけるんじゃねぇよ…
 その言い方だと、俺もお前と同じおこちゃまみたいじゃねぇか…」


*アルノー2*


ア「はあ…とんでもないメに巻き込まれちまったな…」
ジ「事態に巻き込まれたと嘆くものは、事態を切り拓く力のない者であーるッ!」
ア「おこちゃまの分際でデカイ口利きやがるッ! さっきの、いったい誰の受け売りだッ!?」
ジ「あははッ! バレちゃった。村で僕に剣術を教えてくれてた、アンリ師範がそう言ってたんだよ」
ア「……… …そういや、お前も巻き込まれたんだっけな…」
ジ「……… …でも、僕は…とんでもないメに巻き込まれたなんて思ってないよ。
 母さんや村のみんなとバラバラになったのは嫌なことだし、あの兵隊たちは許せないけど──…
 アルノーやユウリィ、ラクウェルと出逢えたことは、やっぱり嬉しいと思っている。
 それに、村のみんなとは、バラバラになっただけで、もう逢えないと決まったわけじゃないからね」
ア「おこちゃまはまぶしいね…その楽観思考はうらやましいかぎりだよ」
ジ「だからアルノーも巻き込まれたなんて思わないでさ、もう少しだけ手を貸してよ…」
ア「……… …わかったよ…少しだけ…もう少しだけだからなッ!」
ジ「ありがとう、アルノーッ!」


*ラクウェル*


ジ「ラクウェルの剣…すごい威力だね。
 僕も師範から剣術を習っていたんだけど…いつもサボってばかりだったんだよ」
ラ「10に満たない時分より、無理やり、剣練場に通わされていたのだ。
 私自身、あまり興味はなかったのだが、師や両親がスジを誉めるのでな…
 ひと通りの基礎をその時に学ばせてもらった。
 あとは…旅の中、思うがままに工夫を重ねてきたのだが…」
ジ「ってことは、我流の剣技ってやつ? スッゲェ… ラクウェルには剣の才能があるんだねッ!」
ラ「才と言えるかどうか… ………
 子どものころは、剣よりも絵筆が執りたかったのだが、…何故か周囲が喜んでくれなくてな…」
ジ「ふ〜ん…昔から絵が好きだったんだね」
ラ「そうだな。だから今──…絵を描きながら気ままな旅を楽しんでいる」
ジ「ラクウェルの描いた絵、僕にも見せてよ」
ラ「手元にあるのは習作ばかりでな…いつか──…そう、いつかに見せたいものだな…」
ジ「うん」


*ラクウェル2*


ジ「ラクシェルは、いつもどんな絵を描いているの?」
ラ「描きたいと心動かされるのは、美しい風景に出逢った時だな。そのために旅に出たようなものだ」
ジ「風景の絵なんだね」
ラ「……… 私の故郷は…戦争でひどい有り様になってな。以来、美しい風景を求めるようになったのだ。
 ──だがな…」
ジ「あの聖女像もそうだった…戦争が、ファルガイアから美しい風景を奪っているんだね…」
ラ「嘆かわしいことだな」
ジ「………」
ラ「……… 子どもの時分は、風景だけでなく、人物も描いていた。家族や、友達をな──…」
ジ「ねぇ、ラクウェル。もしも、描きたい風景が見つからない時は、僕をモデルに絵を描いてよ」
ラ「──正気かッ!!?」
ジ「『正気か』って…ホンキかってコト? うん、描いてほしいなって思ったんだけど…」
ラ「…いや… …その、なんだ…ジュード……怒ったりしない、…か?」
ジ「僕が? なんで?」
ラ「いや、それならいい… 今度…、そうだな…
 やりたいと思ったことは、考える前にやっておかねばな…でなければ、無駄に時を浪費するばかりだ。
 それに──お前の気持ち良さは、美しさに通じているからな」
ジ「あははッ!よろしくね、ラクウェルッ!」 


*パーティ(強制ミーティング)*


ラ「先程の兵隊くずれ…私を追いかけてきたものばかりと思ったが、ねらいは他にもあったようだな」
ユ「……… …あの人たち、わたしをねらっているんです。わたしの持ってるARMを制御する力がほしくて…」
ジ「ARMを…、制御する力…? シエル村で、ARMを抑えられなくなった時、僕を包んでくれた君の力…
 …それは、僕の力と同じモノなのかな…?」
ユ「少し似てるけど、全然違う力です…
 わたしは、そこに『或る』ARMに干渉してちょっとした調整や制御ができるけれど、
 素体からARMを精製することはできないんです。
 ジュードのように圧倒的な適合力は持ってないんです。ううん──…その力を望まれていたけれど、わたしには…」
ジ「………? …じゃあ、僕の力は、いったい…?」
ユ「正確なところはわたしにもわからなくって…
 ……… …ジュード…あなたは幼い頃、どこかの施設で暮らしたことはありませんか?」
ジ「…施設…? ……… …ううん…僕は、ずっとあの村で暮らしていたと思う。
 覚えているのは、あそこだけだから…」
ユ「…そうですか… やっぱりわたしとあなたは違うみたいです。
 わたしの力は…小さい頃、その施設で与えられたもの。
 生まれた時からの力じゃないんです。でも、ジュード…あなたの力は、そうじゃないんでしょう」
ジ「僕にこの力がある理由は、ユウリィとは違うのかな?
 だったらどうして、僕はARMなんてものを使えるんだろう…?」
ユ「わたしにも、ハッキリしたことは言えないけど…でも、その前に──もう一度だけ聞かせて、ジュード…
 これ以上、踏み込んじゃったなら、あなたも引き返せなくなります。
 この先ずっと、その力を欲した大人たちから逃げ回らなくちゃいけなくなるかもしれないんです。
 それでもジュードは、自分の力を知りたいって思いますか?」
ジ「……… …正直、怖いと思っている… でも──…
 何も知らないままなのは、もっと怖いと思うんだ。僕の知らないこと…
 知っていくことで世界が広がるなら、僕はそこに踏み込んでいきたい。
 …きっと、そこに…その世界に母さんや、村のみんながいると思うから… ユウリィ…僕は、僕のことを知りたい」
ユ「……… …わかりました…
 ……… 巡礼地キュレーンに向かう時、ラクウェルさんが持っていた地図を見て、
 ここがどの辺りなのかの見当がつきました。
 ここは、私が育てられた施設から、それ程遠く離れていないところと思います。
 そこに行けば…ジュードのこと、少しわかるかもしれません」
ジ「ユウリィ… …僕を連れて行ってほしい… そして──…」
ア「──まさかッ!? 俺も巻き込まれたりするのかッ!?」
ジ「アルノーも一緒に来てほしいんだ。僕を最初に助けてくれた仲間だし…」
ラ「聞けば、お前も騒動に一枚かんでいたのだろう? オトナを標榜するのなら、誠意くらい見せたらどうだ?」
ア「……… ──わかったよ…ッ! ここんトコ貧乏クジばかりだぜ…ッ!」
ラ「それはそうと、ジュード。私は誘ってくれないのか?」
ジ「──だって…そりゃ来てほしいけど…ラクウェルには、ラクウェルの旅の目的があるでしょ? だから──…」
ラ「もともとあてのない旅だ。ジュードと共に行く途で、私の望むモノを探すのも悪くない。
 …いや、それはこじつけだな。私はジュードが気に入った。だから共に旅をしたい… ──この理由では不服か?」
ジ「ありがとうッ! 僕も、ラクウェルの旅に協力するよ」
ア「あの〜。盛り上がっているトコあいすみませんが、せめて旅立ちの準備くらいはしっかりしとこうぜ」
ラ「ならば、私の依頼の報酬の他に、私の手持ちも預けておこう。少しは旅支度の足しになると思う」
ジ「お財布の中身もチームプレイだね」


*パーティ2*


ア「とんでもないことに、巻き込まれちまったな…」
ユ「…ごめんなさい…」
ジ「アルノーがいてくれると、これからのこと…とても心強いんだけどな…」
ア「『これから』って…何がどうなっていうか、わかったもんじゃないだろうに」
ラ「わからなくなった時こそ、こうして『ミーティング』だ。仲間うちで話し合えば、拓ける道もあるだろう」
ユ「…仲間…チームプレイ…」
ジ「…僕は、知りたいことがたくさんある…知らないままなんて、嫌だ。
 だからユウリィ…連れて行ってほしいんだ。…君の知っている世界に…」
ユ「……… …ええ、行きましょう…わたしの育った施設へ…あの、『白い孤児院』へ…