ミーティング会話


不夜城ギャラボベーロ(初到着時)

*ユウリィ*


ユ「この町…門前町だと思ってました。もっと落ち着ける場所って…」
ジ「門前町って?」
ユ「聖跡などお中心につくられた町のことです。なのに──… ………
 孤児院を出たあと…わたしも別の門前町で暮らしてました。
 パラディエンヌとして修道し、魔術を学んだのもその町です。
ジ「パラディエンヌの魔術って、癒しや護りの術だよね」
ユ「元々はアルノーさんの魔術と同じ体系なんですけど、
 わたしが扱うのは、誰かを助けるために専門化されたものです。
 今も戦争のせいで苦しんでいる人たちの力になりたかったから…」
ジ「ARMを制御する力もあるのに、魔術まで習うなんて…ユウリィはすごいなぁ…」
ユ「わたし、ただ…ARMに通じる自分の力を忘れたかったのかもしれません…」
ジ「………」
ユ「目を逸らして逃げたつもりでも、わたしに課せられた運命は、どこまでも追いかけてくるから──
 いったい、どこまで逃げれば落ち着くことができるんでしょうか…」
ジ「…ユウリィ…だいじょうぶだからッ! なんとかなるからッ!」
ユ「ジュードがそう言ってくれるなら、きっと──…」


*ユウリィ2*


ユ「巡礼地キュレーンやこの町…カリュシオンにまつわる聖跡は、ファルガイアの各地に遺されています。
 聖カリュシオンは、最初のパラディエンヌと呼ばれ、その足跡はいくつかの伝承に記されてるんです」
ジ「パラディエンヌ? ユウリィの使う魔術と関係でもあるの?」
ユ「ううん。直接は関係ないんです…もう、1000年も前の人物ですから」
ジ「ずいぶん昔の人なんだ…」
ユ「聖カリュシオンを尊ぶ後世の人々は、癒しや護りの術を磨き、
 身に付けることで誰かの助けになろうと努めました。
 誰かに対するいたわり、困難に向き合う強さを学んで、聖カリュシオンみたいになりたいって思って──
 …わたしも、そんなひとりなんです…」
ジ「じゃあ、ユウリィも…『パラディエンヌ』というより、『パラディエンヌになりたい人』なんだね」
ユ「そ、そうかもですね…正確には…」


*アルノー*


ア「空の上に、なんだかよくわからない不思議空間…俺たち、よく生きて還れたな…」
ジ「アルノーが、逃げる方法をいろいろ考えてくれたおかげだよ。まさに逃げの天才だね」
ア「誉めてんだよな? 微妙に嬉しくないんだが…まあ、いいけどよ」
ジ「残念だったのは、アルノーの操縦する飛空機械に乗れなかったことかな?」
ア「とんだ命知らずだな…操縦を『知っている』のと、『やったことがある』ってのは全然違うんだぞ」
ジ「そうかもしれないけれど、『知っている』ってのは、やっぱりすごいことだと思うよ。
 アルノーの魔術も、やっぱりお父さんから教えてもらったの?」
ア「いや、普通にガッコで習っただけさ。
 もっとも、高等術式を履修しただけで、専門術式を専攻したわけじゃない」
ジ「??????」
ア「金がないから、その先を勉強したくてもできなかった…ありていに言えば、そういうことさ」
ジ「勉強を続けていたら、アルノーの魔術はもっとすごくなってた?」
ア「どうだろうな? 俺ってば努力はからきしの天才型だから、
 勉強よりもセンスで魔術を研ぎ澄ます方が向いているんだよな」
ジ「あははッ! 自分で天才とか言ってるよッ!」
ア「俺は覚えちゃいないが、お袋が、そういう素質に恵まれてたそうだ。まさにお袋サマサマだな」
ジ「アルノーのお母さんって、どんな人だったの?」
ア「場末の酒場でチーママやってたらしい。当たると評判の占いで、けっこうな人気だったと聞いたぜ」
ジ「よくわからないけど、当たる占いってとこが、なんか魔術っぽいかなって思ったよ」
ア「それだけわかれば上等。ま、俺の魔術の才能は、お袋譲りってことさ」


*アルノー2*


ジ「アルノーは、死んじゃったお母さんに逢うため、飛空機械の操縦を教わったんだよね?」
ア「…まあ、そうだけどよ…それって昔の話だぞ…」
ジ「飛空機械で天国目指そうってんだから、それなりに子どもっぽかったんだ」
ア「歳相応だったと言ってもらおうかッ! 今のお前の半分くらいだったんだぞッ!」
ジ「あははッ!」
ア「──ったく… 考えてみれば、6歳や7歳のおこちゃまに、飛空機械の操縦を教える親父も親父だぜ…」
ジ「6歳や7歳で操縦を覚えるアルノーが、一番どうかと思うんだけどな…」
ア「ところでよ…お前の親父さんはどうしたんだ?
 お袋さんの話は聞くが、親父さんについては全然じゃねぇか?」
ジ「うん。父さん、いないんだ。ずっといなかったから、とくにあんまり考えたことなかったよ」
ア「お前ってば、つくづくシンプルな生き物だな…」
ジ「シエル村では、子どもは僕しかいなかったからね…
 アンリ師範をはじめ、おじさんたちはみんなお父さんみたいな感じだったよ」
ア「それなりに不自由してないってわけか?」
ジ「とんでもないッ! いたずらを叱られる時なんて、四方八方から怒鳴られるんだよ。
 ひとしきり怒られたら、しばらく耳鳴りが止まらないくらいさ」
ア「だけど悪いことばかりじゃないだろ? たとえばよ──…
 誕生日のプレゼントとか、村中の大人たちから貰えたりしなかったのか?」
ジ「…誕生日に? プレゼントを…? よくわからないんだけど…
 誕生日だからってなんにも貰ってないよ。普通、貰えるものなの?」
ア「……… …ははあ…、なるほど…お前が何も知らないのをいいことに、大人たちは示しあっていたんだな…」
ジ「それって、つまり──…」
ア「過ぎたことさ、あんまり気にすんなよ」
ジ「…うううううううう…」
ア「こうして少年は、大人への不信感を少しずつ募らせて、自分もまた、大人へとなるのでした」


*ラクウェル*


ジ「この町は、とてもにぎやかな町なんだね…」
ラ「にぎやかというよりも、猥雑な町というべきであろう。私は、このような町、あまり好まぬ」
ジ「ふ〜ん…僕は元気があっていいと思うんだけどな…」
ラ「何よりも、美しさが感じられぬ」
ジ「アチコチが、キラキラしたり、ピカピカしたりして、きれいだと思うんだけど…」
ラ「……… …価値観の相違… …という以前に、どこが、どのような店か知らぬがゆえか…」
ジ「………? …よくわからないんだけど、ここには悪いお店が並んでいるのかな?」
ラ「一概に悪いとは言えないのだが…子どもがひとりで出入りするのは、あまり好ましいとは思えぬな…」
ジ「…うん… わかった…」
ラ「くどいようだが、仮にアルノーやガウンに誘われても、ついて行くべきでないと思うぞ」
ジ「…うん…
 (いったい、なんだろう? 怖いことでもあるのかな…?)」


*ラクウェル2*


ジ「みんなのおかげで、レイモンドさんもなんとか無事みたい…ありがとう」
ラ「ほとんど、ガウンのおかげであろう」
ジ「そうだったねッ!」
ラ「さて、件のガウンだが…彼は、ああ見えて、常人離れした体力の持ち主だぞ」
ジ「レイモンドさん…やせっぽちじゃないから…動けない大人を抱えての旅だもんね…」
ラ「体力を持っているだけではない。その使い方も心得ている。あれは、正規の──」
ジ「そのおかげで助かったのか…ホント、ガウンにはいくらお礼を言っても足りないかもね」
ラ「………」
ジ「どうしたの?」
ラ(いや…、考えすぎだな… それとも、私の可愛げのなさか…?)
ジ「………?」
ラ「なんでもない。私が気をまわすとロクな思索へと至らないな。
 こういうのはアルノーの領分だというのに…」


*パーティ1*


ジ「レイモンドさん…苦しそうだ… …どうしよう…」
ユ「衰弱がひどい場合、回復の魔術が逆に身体の負担になるって聞いています。
 ちゃんとした処置をしてくれる、お医者さんを探さなくちゃ…」
ラ「歓楽だけを目的とした不謹慎なこの町に、医者や診療所など期待できるのか?」
ア「…いや…こういう町だからこそ、医療施設と関係者の需要はありまくりなのさ。
 もっとも…モグリやヤブってことも考えられるが…」
ジ「どこか──レイモンドさんが休めるようなところを探そう。それからだよ」


*パーティ2*


ジ「レイモンドさん…しばらくは安静だけど、とりあえずは安心だよ…」
ラ「良かったな…、ジュード」
ジ「良かったのは僕じゃなくて、レイモンドさんだよ」
ラ「そうではない。ジュードが村の仲間と出逢えたことを言っているのだ」
ジ「──あ… …ありがとう…」
ア「ユウリィも良かったな」
ユ「──えッ…!?」
ア「どうせまた…自分の所為だとか考えていたんだろう?」
ユ「………」
ア「俺たち以外にも助かった村人がいたってことは、
 まだまだ無事な人たちもいるかもしれない。つまりはそういうことさ」
ラ「キャラに似合わず殊勝な意見だ。さてはジュードに感化でもされたか?」
ア「──なッ、バッ…どうして俺がおこちゃまなんかにッ…!
 ……… …と、とにかくッ! 連中の追撃は撒けたみたいだが、一所に留まるのは得策ではないッ!
 このまま一気に振り切るぞッ! グズグズしている場合じゃないッ!!」
ジ「アルノー…なんでそんなに慌ててるの?」
ラ「さあな。自称オトナのアルノーは、いろいろ大変と見える」