絵日記ログ
「あれ、岩ぷーがバイトしてるなんて珍しいんじゃない?」
「どうしてもまとまったお金が必要になったもんでね」
「…借金返済を迫られたってワケね」
「いやいやいや、そうじゃなくて。
…実のところ、その、隊長に何かプレゼントをしようと思って好きなものをリサーチしてみたら、家族の写真だって言うんだよ。
写真を撮るにはデジカメがいるだろ?
だからこうしてお金を稼いでいるってわけさ」
「ふーん」
「…アッサリしすぎてない?」
「別にー。大変ねー、ま、頑張ってよ」
「ああ、これからが大変なんだよ。
十万稼げたとしても、デジカメがヤヴァネットに並ぶとも限らないし、買えたにしても、家族の写真だよ?
僕には全く無縁の代物を一体どうやって写真に収めようか、皆目見当もついてないんだよね。
葉月さんに協力を仰ごうかとも思ったんだけど、ほら、そこはやっぱり、女の子へのプレゼントだし、まずいだろう色々と。
どう思う? 乃恵留さん?」
「…いっそ、デジカメあげたら?」
「プログラムとかよく組めるよねー。私そういうの全然わかんないわ」
「まぁ色々な知識が必要だしな」
「…これ、どういうプログラムなの?」
「……よくぞ聞いてくれた。
俺の持てる知識を総動員して組み上げたオリジナルプログラム、その名も『ソックス・ハレルヤ』!!
これを見た者はもれなく靴下の虜となる洗脳プログラムだ!
具体的には、毎朝靴下の匂いを嗅がなければ生きられなくなり、常に数足の靴下を携帯しなければ情緒不安定となり、食事時には靴下をおかずに飯5杯、風呂に入る時にも靴下着用、寝る前に匂いを嗅いでなおかつ枕元に置いて寝ないと安息を得られない、そんな靴下マニアに大変身!
なんて画期的で素晴らしいプログラムだろう!
ビバ! ビバクツシタ! ムッホー!!」
菅原乃恵留はもうそこにはいませんでした。