さらたいちょうあほのこえにっき?




あたりがだんだんとあかくなってきた。
にしのほうに、まっかなゆうひがしずんでいくのがみえた。
もうそんなじかんなんだな。
えへへ、いわさきくんきょうはありがとうね。
とってもたのしかった。
いわさきはえがおでかえしてくれた。えへへ。
でも、きゅうにまじめなかおになった。なにかかんがえごとしてるようだけど。
「…いしださん」
うん? なに?
「おねがいがあるんだけど。きょう、とまりにいってもいいかい」
ふえ!?
「きょうはほかにとまるあてがなくてねぇ…、
いや、ないことはないんだけど、なんだかきまずくてねぇ…なにかいわれそうだし」
・・・べ、べつにいいけど・・・
「ほんとうかい!? いやぁたすかるなぁ、
さすがにこうえんのべんちでねるのはさむくてしかたがないからね」
・・・さむいですむもんだいなのかな。
じゃあ、これからどうしよっか?
「もうひもくれるし、いえにかえらないかい。
ばんごはんいただけるとうれしいんだけど」
うーん、べつにいいんだけど・・・なにもないからかいものしないと。
つきあってくれる?
いわさきはすぐにへんじをしなかった。
「…しかしこれいじょうは……、あ、いや、こっちのはなし……」
・・・・ねぇ、きょうずっと、なにかへんだよ。
なにかおちつきがないし、ずっときょろきょろしてるし・・・・
わたしといるの、そんなにたのしくなかった・・・?
「いや、ちがうんだ、そうじゃなくて……。
…きょうね、いまもそうだけど、みつかったらやばいひとがいるんだ。
へたしたらあしたのあさひもおがめなくなるかも…
だから、そのひとからにげたいんだ。きょうりょくしてくれるよね?」
そ、そうなんだ・・・え、だれなの? わたしもしってるひと?
たずねると、いわさきはいままででいちばんこまったかおをした。
・・・わかった、よくわかんないけど、そんなにいうんなら。
やっと、えがおがもどった。

いえにかえってきた。わたしひとりだ。
いわさきはかいだししてくるからとひとりでいってしまった。
にげたいひととやらにみつかったらやばいんじゃないのか。
そういったらいわさきは、
ぼくひとりならなんとかなるからだいじょうぶ、
きみはさきにかえっててよ、といった。
わたしといっしょじゃだめなのかな。
どうもよくわからない。まだなにかかくしてるかんじだ。
うー、いろいろかんがえてたらなんだかもやもやしてきた。
うちにきても、しばらくしめだしてやろうかな
ぴんぽーん
いえのちゃいむがなった。どあはあけずに、はんのうをまった。
「…いしださーん、ぼくだよ…」
どなたでしょうか。ぼくというなまえのしりあいはいませんが。
「……いじわるしないで、あけてもらえないかなぁ…」
これでもわたし、おこってるんだからね。
きちんと、どういうことなのかせつめいしてもらわないと、なっとくできないの。
「…ええと、それは……」
・・・だいじょうぶよ、きょうははれてたし
こうえんのべんちでもそんなにさむくないでしょ。
「そ、そりゃない……、わかったよ…わかったから、
ここをあけてくれないかな……」
せつめいしてくれる?
「する、します……だから……」
ふぅ。ためいきをひとつついて、どあをあけた。
とどうじに、おおきなおとをたてていわさきがげんかんにたおれこんだ。
・・・・い、いわさき・・・!?

よくみたら、なんだかぼろぼろであちこちけがをしていた。
い、いったいなにがあったの!?
「…ふふ…、ちょっと、けんかをうられてね……」
ええ? で、でも、いわさきそういうのすきじゃないって・・・
「…あれをうけなかったら、おとこじゃないな。
かてるみこみはあんまりなかったんだけど……」
いわさきはあおむけのまま、みぎてをうえにつきだした。
「にんげん、しぬきになればなんでもできるもんだ。KOしてきたよ。
いやほんとうしぬかとおもったけど……ようしゃないんだもんな、あのひと……」
だ、だれにけんかうられたの? さっきいってた、にげたいひと?
「まぁね……いやまさか、けんかふっかけられるとはおもわなかった…」
だれなの!? そんなことしたの・・・!
いわさきはこたえずに、からだをおこした。
「ごめんね、こんななりだからかいだししそこねちゃったよ…
きみさえよければ、これからいっしょにいくかい?」
えええ? あんたついさっきいっしょじゃだめとかいってたじゃないの。
「もういいんだ。もうにげるひつようもなくなったからね」
ねぇ、わたしなにがなんだかさっぱり・・・
「まったく、いらないたいりょくつかっておなかがぺこぺこだよ。はやくいこう」
・・・・もう!
「ごちそうさま。いやー、おいしかったよ」
たんじゅんなんだから。
でも、なにつくってもおいしいってたべてくれるなんていいひとだ。
いわさきはまどのそとをながめていた。
「またふりだしたね」
あ、ほんとうだ。
「……あれはなに? てるてるぼうず?」
うん、きょうはれるようにって。・・・その、いわさきににせてみたんだけど・・・
「………………………………」
いわさきはなにもいわずに、あたりをきょろきょろしてわたしにいった。
「うんうん、ぼくもつくろうかな。ざいりょうある? …きみににせてみよう」
えっ! う、うん、ある! はい!
なんだかあぶなっかしいてつきで、てるてるぼうずをつくる。
・・・ええ・・・ちょっとまってよ、わたしそんなかおしてない・・・
なんかはみだしてるよ・・・ねぇってば・・・
「うん、かんせい。となりにつるしていいかな。いやーわれながらうまくできたよ」
って、それぜんぜんにてない! いやー!! やめてー!!
でもおかまいなしにつるされた。・・うう・・なんだかはずかしいよぅ・・・
「あしたもはれるといいね」
そういって、いわさきはわらった。

※ごじつだん

12がつ□にち(ゆき)


たのしかったにちようびもおわり、きょうからまたじゅぎょうだ。
いちじかんめはえいごか。
きょうかしょのじゅんびをしていると、
こじまおとうとくんがはなしかけてきた。
「いしださん、きょうはいちにちじしゅうになるって」
ふえ? どうして?
するとおとうとくんはひょうじょうをくもらせながら、
「……きのう、にいさんがとおりまにおそわれて、
ろっこつなんぼんかいっちゃってけんさにゅういんしてね」
えええっ!!!
「おれもみみをうたがったよ。あのにいさんにそんなけがをおわせるなんて、
よほどうでのたつとおりまだったんだろう……」
・・・ま、まさか、きょうせいは!?
「……それはないとおもうけどね……でもしんぱいだよ。
くそっ、いったいだれがこんなことを……!!」
・・・こじまくん・・・
だいじょうぶかなぁ、そらせんせい・・・・・
「…とおりま……ねぇ…」
となりのせきでいわさきはきょうみなさそうなかおをしていた。


おしまい。


おまけ